• 山﨑税理士事務所

相続対策って何だったっけ?失敗しないための手順を再確認!

更新日:3月22日



相続対策とは「あなたの『想い』を、相続財産を通じて残していく人々にどう伝えるか」という問題です。


ですから相続対策の第一歩は、あなたの「想い」が何であるかを考えることから始まります。


たとえ節税税対策でどれだけ税金を安くしたところで、肝心の「想い」がなければ一体どんな意味があるというのでしょうか?

教えて下さい、あなたの「想い」は何ですか?


目次

 

1.相続対策とは

2.まずは現状分析、所有財産の概要を把握しよう

3.余生に必要な資金を見積もる

4.相続税申告の必要性をチェック

5.相続対策の3つの視点から分析をしよう

6.「心」の相続

7.遺言は公正証書遺言で決まり!

8.まとめ


1.相続対策とは


相続対策とは「あなたの『想い』を財産を通じてご家族やご友人に伝えること」であり、「相続税を少なくすること」ではありません。「残された家族が幸せに過ごせるようにしてあげたい」「お世話になった人に感謝がしたい」という気持ち(目的)がまずあって、その実現のために「相続税を少なくしてより多くの財産を残す」という手段があるわけです。


相続の相談を受けていると、一見あたりまえのようなこの順序を忘れている方が非常に多いことに気づかされます。いつのまにか思考が相続「税」対策一辺倒になってしまい、残されるご家族等が相続財産を引き継ぐことによりどうなっていくのかという配慮を忘れてしまっているのです。


そこで、本記事では私がお勧めする「相続対策を考える際の手順」をご説明させて頂きます。この手順に沿って相続対策を行えば、独学で相続対策を行う方がよくする致命的なミスは避けられるのではないかと思います。


2.まずは現状分析、所有財産の概要を把握しよう


相続税対策の初めの第一歩は、現在の所有財産を調査し現状を把握することです。 孫子の兵法に「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」とありますが、実は相続対策においてもこの格言は非常に有効です。 無料相談会に来られるお客様でも、書籍やセミナーで相続対策についてはよく勉強している方が多いのですが、意外と「己=所有財産」についてはしっかりと把握されていなかったり、大分勘違いされていたりします。 現状分析を間違えると、有効であったはずの相続対策が全く無意味なものになってしまう可能性があるばかりか、下手をすると取り返しのつかない損失を招くことになりかねません。 まずは、所有財産を把握し「己」を知りましょう。


所有するプラスの財産とマイナスの財産を一枚の紙にまとめていきます。プラスの財産には預金や土地などの財産の他にも、車両・骨董品・宝飾品などの価値のあるものをすべてを書き出してください。土地・不動産などについては固定資産税の課税明細を参考にするとスムーズに調査できます。




3.余生に必要な資金を見積もろう


次の算式で、生前に必要な資金を把握します。


〔 (平均寿命+5年)ー現在の年齢 〕× (毎月の支出額-年金) × 12ヶ月 参考: 高齢者世帯の消費支出の月平均は248.232円です。(平均世帯人員2.43人,世帯主の平均年齢72.9歳)  ※総務省統計局『平成27年(2015年)平均速報結果の概況』より

平均寿命は男性が80.50歳、女性が86.83歳です。 ※厚生労働省『平成26年簡易生命表の概況』より



4.相続税申告の必要性をチェック


所有財産総額の見積もりができたら、相続税申告が必要になるかどうかをチェックします。


基礎控除の額 = 3,000万円 +(600万円×法定相続人の数)


財産総額が基礎控除を上回るようであれば相続税の納税資金準備や節税対策が必要です。

基礎控除の額を下回れば相続税申告は必要ないので不要となります。




5.相続対策の三つの視点から分析し、財産分割案を作成する


相続対策には「遺産分割」「納税資金準備」「相続税節税」という3つの側面があります。 (1)「遺産分割」とは、「財産を誰にどういう方法で分けるか」という問題です。

(2)「納税資金準備」とは、相続税が原則として現金納付であるため、いざ相続が発生した時の納税資金をどう確保するかという問題です。

(3)「相続税対策」とは、発生する相続税をいかに安くするかという問題です。


これらの3つの側面すべてを満たす相続対策を行わなければならない訳ですが、これが非常に難しい。 例えば、遺産分割対策では資産を分けやすい状態にしておくことが求められますが、最も分けやすい状態は「預金」ということになります。

ところが相続税対策の面から見れば、「預金」で保有していると「小規模宅地の特例」などの各種優遇措置等を全く受けることができなくなってしまうという問題があります。


では、「預金」を節税効果が高い「不動産」にすればどうなるかと言えば、今度は「遺産分割」と「納税資金の準備」が難しくなります。


私がお勧めするのは、(1)遺産分割(2)納税資金準備をまず考慮して分割案を作成し、その後に残った余裕資金で(3)相続対策を行うことです。こうしておけば、納税資金が足りず不動産を安く買い叩かれるような大損は避けることができます。

ただし、相続税対策を行うと資産構成が変化するので、それに合わせて(1)と(2)の分析を再度行う必要があるのを忘れないでください。




6.「心」の相続


相続対策案もまとまってホッとしたいところではありますが、残念ながらまだ大きな仕事が残っています。


「心」の相続です。


相続対策案を実施する前に必ず、相続人たちとの話し合いの場を設けるようにしてください。


「家族とはいえ自分の財産なのだからわざわざ相談する必要はない」だとか「お金の話を家族とするのに抵抗がある」という方もいますが、この一手間を加えることにより、当初は見えなかった問題点が浮かび上がったり、相続発生後に兄弟たちが相続財産をめぐって争う可能性の芽をつむことができるのです。


残念ながら「心」の相続は必ず円満な結果をもたらすわけではありません。

時には言い争いになることもあるでしょう。

それでもあなたの「想い」を伝えることにより、それぞれの相続人に「心の準備」ができるのではないでしょうか?


思い立ったが吉日です。

相続対策をきっかけに、久々に子供達を集めて話しをしてみませんか?



7.遺言は公正証書遺言で決まり!


遺言書を自分で作成することもできますが、決まった様式で作らないと無効になるだとか、遺言を見つけた人は検認という作業をしないと5万円以下の過料に処せられるだとか、面倒な決まりがたくさんあるので避けたほうが無難です。


公正証書遺言であれば専門家が必ず関与するので間違いが起こることはほとんどないです。

さらに、専門家に頼めば文面なども実際に相続が起こった時になるべくスムーズに事が進むようなものを作成してもらえます。

費用は発生しますが、それに見合う安心を買うと思えば安いものではないでしょうか。


8.まとめ


以上が相続対策の大まかな流れになります。相続対策を実行した後も、最低でも5年ごとに現状分析を行い予定と実際がどの程度ずれているのかを把握しておくようにしましょう。

本記事はWeb担当の奥村が執筆しました。

最後まで読んで下さりありがとうございました。

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